まず、住まう人の障害が現在どのような状態で、これから病状の進む可能性があるのかどうかをしっかりと把握する必要があります。また、介護の要・不要、生活習慣や使い勝手を考慮した上で、住まう人のライフスタイルをしっかりと把握し、現在の生活上の問題点をひとつひとつ検討するというプロセスが欠かせません。その上でご本人がどんな暮らしをしたいのかをヒアリングし、そのニーズに合った家づくりを考えていくとよいでしょう。そのためにも、住まう人と設計者・施工者とがコミュニケーションを深め、プライベートや心の内を話せるような関係を築くことが重要だと思います。
住まいに対するニーズは、ご本人の障害の内容だけでなく考え方や生活慣習の違いによって異なります。つまり、誰にでも当てはまるベストな解決方法は存在しないのです。それを前提に1人1人のニーズに合ったリフォームを考えていかなければならない点が難しいと思います。
大きく分けて2つの方法があります。ひとつは『設備・器具』を導入すること。そしてもうひとつは『設計やプラン』を工夫して不便さを解消することです。例えば『玄関の段差を無くし、車椅子での移動をスムーズにする』ためには、『段差解消機』といった『設備』を導入するか、もしくは緩やかなスロープを作るなどして『設計』面で工夫する方法が考えられます。